薬剤師としてのライフプランを描く ――情熱と戦略で切り拓くキャリアの道

病院薬剤師

これから薬学部に入ろうとしているあなた
これから薬剤師になろうとしているあなた
今、薬剤師として生きるあなた

「自分はどんな薬剤師として、人生を歩んでいくのか?」

薬剤師の養成制度が6年制になり、私たちはより深く、より実践的に臨床に向き合う教育を受けられるようになった。私たちの先輩世代では任意だった実務実習が、私たちの代からは 保険調剤薬局実習2週間+病院実習2週間、もしくは 病院実習4週間 が必須に。現在では、さらに発展し、11週間の薬局実習+11週間の病院実習が基本になっている。希望者には追加で8週間の実習延長も議論されており、実務重視の育成がますます進んでいる。


8週間程度の追加の実習「薬学実践実習」の議論もほぼ決まり!一般社団法人 薬学教育協議会
https://yaku-kyou.org/?p=11153
「薬学実践実習」についてはこちらもチェック
【2028年度開始】薬学実践実習とは?8週間の追加実習で変わる薬剤師教育

令和10年から薬学実践実習の実施が決定しました。まだ現場は混乱状態です(笑)もう一年後には実践実習のマッチングをしなければなりません。どのような実践実習を行っていけばいいか各施設で検討されている最中です。

ジェネラリストか?スペシャリストか?

薬剤師は、あらゆる領域を広くカバーするジェネラリストであるべきか。
それとも、ある分野を深く掘り下げるスペシャリストであるべきか。

日本病院薬剤師会の認定制度はジェネラリストである病院薬学認定薬剤師とスペシャリストである専門薬剤師制度が存在する。日本病院薬剤師会の考えはスペシャリストはまずジェネラリストであるべきとのこと。

そのため感染制御認定薬剤師は病院薬学認定薬剤師を保持し続けなければいけない。

IWAKIは感染症領域のスペシャリスト(自称)として、まず「基礎」を徹底的に鍛え、そこから得意分野を伸ばすという戦略をとった。その中で出会ったのが「認定薬剤師」という武器だ。

「勉強さえすれば資格なんていらないのでは?」という声もあるだろう。確かに、知識だけであれば独学でも手に入る。だが、資格という“かたち”があることで、周囲を動かす説得力が生まれる。

認定取得には「手間」「時間」「お金」がかかる。だが、それ以上に得られるものも大きい。あなたのライフプランにその資格が必要なのか、本気で考えてほしい。

感染症に向き合った原点

私が感染症関連の認定を目指すきっかけになったのは、「院内での抗菌薬の使われ方」に疑問を持ったことだった。

添付文書通りの使用では限界がある。最新のガイドラインに基づいた適切な抗菌薬選択を提案できる薬剤師になりたい。そう思い、「認定資格」という名刺を手に入れ、感染委員会に加入し、今では感染制御認定薬剤師として、医局会で耐性菌の動向や抗菌薬使用状況を報告できる立場になった。

現場から直接、抗菌薬の相談を受けることもある。これは認定資格という“肩書”がもたらした信頼の証だ。

資格を取る「タイミング」を見極めよ

資格取得のタイミングについて、私は次のような道を歩んできた。

  • 20代後半:NST専門療法士 取得
  • 30代半ば:抗菌化学療法認定薬剤師 取得
  • 30代後半:感染制御認定薬剤師 取得

この頃は家庭も仕事も忙しく、県・市の薬剤師会の委員や理事も兼任していた。仕事とプライベートの両立に悩みながら、必死に勉強時間を捻出したのを覚えている。早朝に1時間、夜寝る前に1時間、休日はカフェや図書館で半日。子どもの世話もあり、相当な苦労だった。感染制御認定薬剤師の取得時期はコロナ禍とも重なり、受験すらままならなかった。

薬剤師は6年制となり、24歳で就職すれば、実務経験3年前後で認定資格を目指せる。つまり30歳前が、最初の資格取得のチャンスだ。ところが、ちょうどこの時期に結婚や出産など、人生の転機を迎える人も多い。生活のリズムが大きく変わり、勉強時間の確保は一気に難しくなる。

だからこそ、「自分はいつ、どこで、何に力を入れるのか」を考えてほしい。漫然と過ごしていると、時間はあっという間に過ぎてしまう。私のように「その場のノリ」で進むと、あとで大変な思いをするかもしれない。

私は入職時から感染の仕事がしたいと思っていたが、感染委員にはすでに担当者がいたため、栄養の道に進んだ。これを回り道だったとは思わない。しかし、感染の資格を取る時期を考えると、少し遅かったとも感じている。

ライフイベントのすべてを予測することはできない。それでも、見通しを立てておくことはできる。結婚や出産、転勤の前にどの資格を先に取るのか、日々の症例をどう記録しておくのか。それを考えておくだけでも、後の負担は大きく変わる。

あなたの人生設計に「戦略」を

未来は確かに予測できない。
だが、それを理由に人生を「なるようになるさ」と流していいわけではない。

薬剤師としてのキャリア、家庭とのバランス、将来への投資。
これらを結びつけるのがライフプランであり、資格やキャリアの「選択」だ。

自分はどんな薬剤師になりたいのか。どんな人生を歩みたいのか。

情熱と戦略を持って、一歩踏み出してほしい。

その一歩が、未来の自分を大きく変えていく。

2026年10月18日 一部加筆・修正

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