感染対策向上加算を算定する施設では、院内感染対策研修会を年2回実施しなければなりません。毎年ICTで集まって考えていますか?それとも、決まったテーマでローテーションをしていますか?どちらの方法でも、悩みどころは次の3つではないでしょうか。
- テーマはどうする…?
- 誰が準備するの…?
- 誰が発表するの…?
今回のブログでは、感染制御認定薬剤師の視点から、院内感染対策研修会のテーマを厳選して6つ解説します。
- 抗菌薬適正使用とAMR対策
- 標準予防策と感染経路別予防策
- 血液デバイス感染と尿路デバイス感染
- 手指消毒とそのタイミング
- 感染症アウトブレイク時の対応
- ゲーム型教育ツール「Save!」
抗菌薬適正使用とAMR対策
抗菌薬を「必要な場面で、適切な薬を、適切な量と期間で」使うことが適正使用です。不要な使用や過剰な広域化は耐性菌を増やし、将来効く薬を減らします。AMR(薬剤耐性)は世界的な課題で、抗菌薬適正使用支援(AS)では、培養提出、De-escalation、投与期間の見直しが柱になります。薬剤師はTDMや処方提案で中心的な役割を担います。全職種に関わるテーマなので、自施設の使用状況を示すと伝わりやすくなります。
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標準予防策と感染経路別予防策
標準予防策は、すべての患者の血液、体液、排泄物、粘膜、傷のある皮膚を感染性があるものとして扱う基本の対策です。手指衛生、PPE、咳エチケットなどが含まれます。感染経路別予防策は、接触、飛沫、空気の3つに分け、標準予防策に上乗せして行います。病原体ごとの感染経路を知り、適切な対策を選ぶことが重要です。PPEの着脱手順は、実技を交えると定着します。
血液デバイス感染と尿路デバイス感染
中心静脈カテーテル関連血流感染(CLABSI)と、カテーテル関連尿路感染(CAUTI)は代表的な医療関連感染です。予防の基本は「必要性の毎日の評価と早期抜去」です。挿入時はマキシマル・バリアプレコーションや皮膚消毒、管理時はハブの消毒や閉鎖式の維持が重要です。細菌尿だけで抗菌薬を使わない判断も、適正使用につながります。
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手指消毒とそのタイミング
手指衛生は感染対策で最も基本的で効果の高い手段です。WHOの「5つのタイミング」は、次のとおりです。
- 患者に触れる前
- 清潔・無菌操作の前
- 体液曝露リスクの後
- 患者に触れた後
- 患者周囲の環境に触れた後
目に見える汚れがあるときや、ノロウイルス、C. difficile疑いのときは、流水と石けんによる手洗いを行います。擦式アルコールの量や乾燥までの時間も、効果を左右します。
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感染症アウトブレイク時の対応
アウトブレイクとは、通常より多い感染症の発生が、施設内で集中して起きた状態です。対応は、早期の探知と報告、患者の隔離やコホーティング、接触・飛沫予防策の強化、環境整備、原因と感染経路の調査が基本です。ICTが中心となり、病棟、検査室、事務部門と情報共有を行います。保健所への届出基準も事前に確認しておくことが重要です。
ゲーム型教育ツール「Save!」
モレーンコーポレーションが提供する、ボードゲーム型の感染対策教育ツールです。ゲーム感覚で知識が自然と身につき、現場で役立つことを目指して、多くの感染管理認定看護師による検証実験とフィードバックを重ねて開発されました。感染対策向上加算1〜3での感染カンファレンスや、当院の院内感染対策研修会でも実施しました。研修会は、ただ聞くだけだと眠くなってしまいますが、参加型のゲームはかなり盛り上がります。
おわりに
前述のとおり、感染対策向上加算を算定している施設は、院内感染対策研修会を年2回実施しなければなりません。毎回のテーマ選びや出席率の向上は、なかなか骨の折れる作業ですよね。保健所の立入検査、適時調査、病院機能評価などでも、研修の実施状況は一定の評価の対象となります。
厚生労働省では、前年度の院内感染対策講習会の過去資料を公開しています。テーマ選びの参考にすると、準備が楽になるかもしれません。
出典
院内感染対策講習会 過去資料|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42434.html
ゲーム型教育ツール「Save!」|Product|株式会社モレーンコーポレーション
https://www.moraine.co.jp/products/get/save/

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