インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症、出勤・登校停止はいつまで? ―薬剤師が振り返る5年間―

感染制御認定薬剤師

新型コロナウイルス感染症を振り返る

お久しぶりですIWAKIです。ここ最近(2026年9月8日)コロナやインフルエンザが増えてきてませんか?都内ではインフルエンザでの学級閉鎖もあるとか・・・。ふと新型コロナウイルス感染症のことを振り返ってみたくなりました。

新型コロナウイルス感染症は、2019年末に中国・武漢で最初に確認されたとされ、その後またたく間に世界各地へ拡大し、パンデミック(世界的大流行)となりました。

WHOの報告によると、2023年4月時点で全世界の累積感染者数は7億人以上、累積死亡者数は690万人以上にのぼるとされています。

日本国内でも2020年に感染者が確認され、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での集団感染は映画化もされるほど大きな出来事でした。

当時の医療現場は、この「未知のウイルス」への恐れと手探りの対応に追われていたことを、今でも鮮明に覚えています。

マスクの着用をめぐっても賛否両論がありました。正しく着用しなければ効果が十分に得られないにもかかわらず、着け方や捨て方に関するさまざまな情報が飛び交い、混乱を招きました。

国内ではマスクを着用しない人が非難の対象となる一方、マスク着用に否定的な人が多い国では、感染が爆発的に拡大していたという記憶がある方も多いのではないでしょうか。

発熱などの症状があればPCR検査・抗原検査が事実上必須とされ、検査を拒否する人への非難、感染者への差別、SNS上での誹謗中傷が横行しました。

当時を振り返ると、「人間の弱さ」が浮き彫りになった時期だったと感じます。病院での抗原検査も、つい最近まで日常的に行われており、院内でのマスク着用義務が解除されたのも、まだ先月のことです。

出勤・登校停止期間はどうなっているのか

新型コロナウイルス感染症の場合

新型コロナウイルス感染症は2023年5月8日から感染症法上の「五類感染症」に位置づけられ、それに伴い法律上の外出制限(隔離の義務)はなくなりました。

ただし、学校保健安全法においては、同日以降「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」を出席停止の基準としています。

薬局の窓口でも「出勤停止ですよね?何日くらいですか?」と尋ねられることがあります。そうした際には、次のようにお答えしています。

現在は法律で義務付けられているわけではありませんが、発症日を0日目として5日間の自宅療養が推奨されています。職場によって独自の基準を設けている場合もありますので、あわせて職場にもご確認ください。

インフルエンザウイルス感染症の場合

インフルエンザも新型コロナウイルス感染症と同じく五類感染症であり、法律上の強制力はありません。学校保健安全法では以下のとおり定められています。

  • 成人・学童等:発症後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで
  • 幼児:発症後5日を経過し、かつ、解熱した後3日を経過するまで

治療薬について

新型コロナウイルス感染症の治療薬は、現時点でも高額であることが多いのが実情です。とはいえ、基礎疾患をお持ちの方にとっては、重症化予防の観点から積極的に服用を検討する意義は大きいと考えます。

3剤比較表

属性パキロビッドパック
(ニルマトレルビル/リトナビル)
ラゲブリオ
(モルヌピラビル)
ゾコーバ
(エンシトレルビル)
服用方法(成人)1回 ニルマトレルビル300mg/リトナビル100mg 1日2回 5日間1回400mg1日2回 5日間1日目375mg
2日目から5日目125mg
対象12歳以上・体重40kg以上/重症化リスクあり18歳以上/重症化リスクあり12歳以上/重症化リスクの有無を問わず投与可
予防投与不可不可
特徴重症化予防効果が高い(入院・死亡リスクを臨床試験で約88%低減)。妊婦は禁忌ではなく有益性投与が可能併用禁忌薬が少なく、処方しやすい5大症状(鼻水・咽頭痛・咳・発熱・倦怠感)の消失を約24時間短縮。2026年3月、曝露後予防(同居家族等の発症予防)の適応が世界に先駆けて追加承認
注意点相互作用(併用禁忌)のある薬剤が非常に多く、処方時の確認が必須妊婦・妊娠している可能性のある女性には禁忌。重症化予防効果はパキロビッドよりやや劣る妊婦・妊娠している可能性のある女性には禁忌。相互作用のある薬剤も多い
3割負担時の目安薬剤費約29,700〜30,000円約26,000〜28,500円約15,000〜15,800円

※薬剤費は公費支援終了(2024年4月〜)後の報告額をもとにした目安であり、薬価改定により変動します。実際の負担額は処方内容・保険の負担割合によって異なりますので、必ず処方元・調剤薬局にご確認ください。

一方、インフルエンザウイルス感染症の治療薬は薬価が下がって入手しやすくなっており、服用後24〜48時間程度で解熱がみられるなど、効果の面でも優れているといえます。

インフルエンザ治療薬 5剤比較

比較項目タミフル(オセルタミビル)リレンザ(ザナミビル)イナビル(ラニナミビル)ゾフルーザ(バロキサビル)ラピアクタ(ペラミビル)
剤形・用法内服。通常、1日2回、5日間服用。吸入。通常、1日2回、5日間吸入。吸入。通常、1回のみ吸入。内服。通常、1回のみ服用。点滴静注。通常、1回投与。
予防投与不可
対象生後2週以上。小児~(吸入が可能な方)。小児~(吸入が可能な方)。内服が可能な方。重症例・経口摂取困難例。
特徴内服剤で汎用性が高く、経口投与が可能な点が利点。吸入が必要で、正しい吸入手技が重要。気管支喘息などの気道疾患を有する患者では注意が必要。1回の吸入で治療が完結する。吸入手技が重要で、適切な吸入が必要。1回の内服で治療が完結する。作用機序が異なる(Cap依存性エンドヌクレアーゼ阻害)。耐性ウイルスの発生に注意が必要。静脈投与であり、経口・吸入が困難な患者に有用。重症例や嘔吐などで内服・吸入が難しい場合に適応。
3割負担の目安薬剤費約324円約608円約891円約1463円~2926円(体重別)約1859円

いずれの感染症も、根本はウイルス感染症です。治療薬の有無にかかわらず、水分・栄養をしっかり摂り、十分な休養をとることが回復への一番の近道であることに変わりはありません。

うつさないために気をつけたいこと

両感染症とも主な感染経路は「飛沫感染」です。くしゃみや咳が出るとき、また長時間の会話は控え、こまめな換気を心がけることが重要です。

症状が落ち着いたあとも、しばらくはウイルスが体外へ排出され続けるため、発症後10日間程度はマスクを着用することが望ましいと考えられます。

手洗いうがい・アルコール手指消毒も有効です。十分に行いましょう。

手指消毒用アルコール(擦式消毒剤)の効果的な使い方と使用量を増やす方法

まとめ

  • 新型コロナ・インフルエンザともに五類感染症であり、出勤・登校停止に法的な強制力はない
  • 学校保健安全法では、新型コロナは「発症後5日+症状軽快後1日」、インフルエンザは「発症後5日+解熱後2日(幼児は3日)」が目安
  • 職場によって独自ルールがあるため、最終的には職場・学校への確認が必要
  • 治療薬に頼るだけでなく、水分・栄養・休養という基本を大切に
  • 症状軽快後もしばらくはマスク着用でまわりへの配慮を

参考資料
文部科学省 学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令の施行について(通知)
20230427-mxt_ope01-000004520_2.pdf

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